「知識が増える、でも忘れていくものもある。歌やレッスンのゴールは何処なのか?時には振り返ってみましょう。」

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ベリメリレッスン生の皆様、こんにちは!

名古屋校チーフのアオイです。


名古屋、本日は38度です!!!!

暑すぎます。

こんな日でも発声練習の手を抜かない、ピッチの細かさに手を抜かない生徒さんに脱帽です!

 

さて、最近僕はヘッドフォンの買い替えの為に、どの機種が良いかあれこれ情報収拾や研究を行なっています。

たかが1アイテムの買い替えを声模様で大げさな!と思われるかもしれないのですが、
端くれながらも音楽を製作し、扱っている者にとっては結構大切で。

例えば、運送屋さんの使用車種が急に変わる様な、野球選手ならバットの材質が変わる様な、正規のオファーが闇営業に変わる様な…と、そこまでは言いませんが、耳を多く使う者としては環境が大きく変わります。

ここ数台は古くなったものを同じ機種で新調するばかりでしたが、今回は機種を変えます。

皆さんもご存知だと思いますが、音楽モノはヘッドフォンに限らずスピーカーやエフェクター、マイクなど機種が変われば驚くぐらい聴こえ方が違います。

そして高価なものを買ったはずなのに、今までのものの方が良く感じてしまう…高価だったからそう思いたくないけど…みたいな経験ないですか?

これほとんどが「慣れ」だと思います。慣れた環境が自分にとって最良である。

間違いだったとしても今更認められない、なんて気持ちもどこかで働いてるかもしれません。

僕がこれまで使っていましたのは、MDRという機種。
小林武史さんが、ライブの時でもピアノ弾きながら付けているあれです。

where_is_the_goal_of_the_song_or_lesson

 

プロの世界では一時期、業界標準と言われていたものです。

僕自身も音楽で上京した頃、どの現場でも見かけたこと、そして「原音に忠実だから」と言う先輩方の言葉に
「おお~カッコイイ!!」「プロっぽい~!」なんて使い始めた事を覚えています。

しかし、最近生徒さんや自分以外の方の曲の製作が増えるにつれ「?」が消えなくなりました。

生徒さんと一生懸命作ったのにライブ会場で流すと何かが違う。

「嬉しくてスマホに入れて毎日聴いています~」
なんて言ってくれる生徒さんのイヤフォンを借りて聴いてみても何かが違う。

これで喜んでくれて申し訳ないな、と思うこともあります。

「原音に忠実」とかは生徒さんや、そのライブを見てくれた方に必要か?と。

作っているときに心地よいと、他の方に聴こえたときに心地よいは別物な事も多いのだと。

これはレッスンでも言えることではないかと思います。
リズムがズレる、だから何分音符だ裏拍だ言っても、
それはレッスンや勉強をしただけの満足で終わってしまうこともあると思います。

頭は満たされても、本人の声や、聞く人の耳にはあまり変化を与えない様な。

最近、そういう素養や音符など無縁で歌ってきました~みたいな生徒さんに
小説頭だけは捉えられる様に的を絞ってお教えしましたら、
わざわざ歌詞を全部ひらがなにおこしてそれだけに特化した歌詞カードを作ってきてくれました。

自主的にです!

難しい事を抜きにたったそれだけですが、リズム、符割が格段に良くなったんです。

ブレスの短さの大切さや、シンコペなどまで上手くなっています。

本人はまだ良くわかっていませんが、とにかく聴き手に心地よさを与える様になりました。

where_is_the_goal_of_the_song_or_lesson

 

ディズニーのモアナの曲です。歌ってみてもらうとかなりタイミングが捉えにくい事が解ってもらえると思います。それが小難しい事無しに上手くなる、上手く聴き手に届く様になるんですから不思議です。

実しやかに言われている事、積み重ねてきた概念はそれはそれで大事にしつつ、でも時には今の自分を邪魔しているかも、と考えてみるのも良いのかも知れませんね。
きっとこの生徒さんも音符で話していたら未だに歌えていないでしょう。

知識が増える、でも忘れてはいけないのが自分の音楽は何処の耳に届いてゴールなのか?だと思います。

と言うわけで、生徒さん達からの急なレッスン内容の方向転換、考え方の変化、夢の変更、心変わり大歓迎です。

せっかく教えてもらったのに、とか無用です。

ヘッドフォンを換えて、更なる音楽、音質を探すんだな!くらいのワクワクにしか思いませんので、遠慮なく新たな思いや今求めたい事を講師にぶつけて下さいね!

レッスンのためのレッスンではなく、聴き手が気持ちよくなる姿を求め、
それを歌い手が気持ちよく感じる為のレッスンを頑張りましょう!

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