【ボイトレ】音程コントロールを高める方法|歌うアスリートのように客観的に自分の声を聴く力

【ボイトレ】音程コントロールを高める方法|歌うアスリートのように客観的に自分の声を聴く力-01

歌が上手い人の多くは、「自分の歌声を客観的に聴く力」を持っています。

感覚だけに頼るのではなく、実際の声とイメージのズレを確認しながら調整していく力です。

実はこの感覚は、スポーツ選手が自分のフォームを映像で確認しながら改善していくプロセスとよく似ています。

歌もまた、身体を使って音を生み出す“身体表現”だからです。

この記事では、歌うときに必要になる音程コントロールの考え方や、その感覚を育てていくためのヒントについてお話しします。

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客観的に自分の歌声を聴く力とは

歌を歌うとき、一番近くで自分の声を聴いているのは自分自身です。

外の空気の振動が壁などに反響して耳に届いたり、骨振動によって顔や身体の中で振動を感じたりしながら、自分の声を認識しています。

「振動数」は「音程」です。440HzはA(ラ)の音で、1秒間に440回振動することで生まれる音程です。

例えば、蚊が飛んでいる音が基準の高さのA(ラ)だとすると、蚊の羽は1秒間に440回羽ばたいていることになります。

また、人間の脳はとても優れた能力を持っていて、この振動数を車のエンジンの回転数のように捉えながら、微妙な音程の変化を追いかけ、正しい音程で歌おうとします。

そのため、たくさんのプラクティスを重ねることで、音の移行(推移)を体感しながら、繊細な音程をコントロールできるようになっていきます。

歌をスポーツのような視点で捉えると、ボイトレの見え方が少し変わってくるかもしれません。

ボーカリストはアスリート

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皆さんは2026年の冬季オリンピックをご覧になりましたか?

多くの日本人選手がメダルを獲得し、印象的なシーンがたくさんありました。

ハーフパイプでは若い選手たちが素晴らしい成績を残し、スピードスケートでは熟練した選手の円熟した滑りが印象的でした。心を震わせるような場面がいくつも記憶に残っています。

フィギュア、ハーフパイプ、アイスホッケー、ジャンプ、アルペン、クロスカントリーなど、様々な競技がありますが、どれも日々の的確なトレーニングの積み重ねによって生まれた成果ではないでしょうか。

寸分の狂いもなく体をコントロールし、より美しく、より速く、より高く、より遠くへ、より正確に。

アスリートたちの努力や挑戦が結果として残されていきます。

フィギュアスケートでは、緊張に押しつぶされそうになりながらも本番に臨む姿(演技後のインタビューなど)に目を奪われます。

練習ではできていたことが本番でどれほど発揮できるのか。また、本番で練習以上の感覚が生まれることもあります。

ライブやレコーディングで歌う場合も、実は同じです。

声帯という小さな楽器をコントロールする

フィギュアスケートで3回転や4回転のジャンプを練習するように、難しい音質や音程の移行(フレージング)は、たった1センチ程度の長さしかない「声帯」への力加減でコントロールされています。

歌うとき、身体の中では次のようなことが同時に起こっています。

🎤 声帯の伸び縮み
🎤 声帯の閉じ方(声門閉鎖)
🎤 喉仏の位置の上下
🎤 気管を太くしたり細くしたりする調整
🎤 口の中の広さのコントロール
🎤 舌の位置の細かな動き
🎤 必要な息のスピードの調整

このような動きが同時に存在するため、コントロールの組み合わせはほぼ無限です。

その必要なコントロールをより正確に行う技術や感覚を養うために、ボイストレーナーはさまざまなボイトレメニューを選びます。

たった1センチほどの声帯という楽器を、周囲の筋肉を使ってコントロールして歌っているのですから、人間の能力は本当にすごいものです。

感覚の鋭さには個人差があります。しかし、たとえ感覚をつかむのに時間がかかっても、時間をかけて身体に覚えさせることで少しずつ自分をコントロールする力は育っていきます。

歌のトレーニングもスポーツと同じ

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フィクションではありますが、「はじめの一歩」の幕之内一歩や、「スチュワーデス物語」で堀ちえみさんが演じた“ドジでノロマな亀”も、努力を積み重ねて力をつけていく姿が描かれていました。

楽器の練習でも同じことが言えます。

例えばギターの場合、うまく弾けないときはテンポを落として丁寧に弾くところから始めます。そして少しずつ標準のテンポに近づけていきます。

左手の筋力が足りないと、指先や腕に乳酸が溜まり手が思うように動かなくなります。その結果、大事なところでイメージ通りの演奏ができなくなることもあります。

歌も同じです。

「曲の最後の方がうまく歌えない」という方は意外と多いです。

そんなときに意識したいポイントはこちらです↓↓↓

💡 フルコーラスで歌う体力をつける
💡 部分練習と通し練習の両方を行う
💡 曲後半でも息を吸える脱力テクニックを身につける

ボーカリストはアスリートです。

アスリートも自分の演技や競技を撮影して、イメージ通りにできているかを確認します。

例えばハーフパイプでは次のような点をチェックします↓↓↓

📹 自分は何回転しているのか
📹 回転の方向はどうなっているか
📹 回転中の体幹の状態
📹 着地のバランス

演技中に感じた自分の感覚と、映像で見た実際の動きを照らし合わせながら微調整していきます。

音楽でも同じです。

レコーディング音源やライブ映像は、とても重要な資料になります。そこから多くのヒントを得て、歌を細かく調整していくことができます。

耳を鍛えてイメージ通りの音程コントロールに近づく

アスリートに必要な感覚のひとつに、「イメージ力(想像力)」があります。

「想像力」という言葉は少し曖昧に聞こえるかもしれませんが、この力もトレーニングによって育てることができます。

教育学では「臨界期」と呼ばれる概念があり、人それぞれ成長が大きく伸びるタイミングがあります。良いボイストレーナーは、そのタイミングを逃さないように適切なトレーニングメニューを提案していきます。

生まれてすぐから幼少期にかけては、感性がとても豊かな時期です。芸術的な感覚も、この時期の体験に影響されることが多いと考えられています。

ピアノやダンスを小さい頃から始めたり、さまざまな英才教育が行われたりするのもそのためです。

最近では、iPadやYouTubeなどを通じて多くの世界に触れることができ、さまざまなイマジネーションを育てることができます。

歌の成長には次のサイクルが理想です↓↓↓

🔁 たくさん聴く
🔁 たくさん歌う
🔁 たくさんイメージする
🔁 また歌う

イメージ力が高まると歌も成長します。そして歌が上達すると、さらにイメージ力も高まります。この相互成長のサイクルがとても大切です。

最終的には、自分自身を指揮する力を身につけることが重要です。

指揮者が指揮棒で楽団をコントロールするように、歌うときも先行するイメージによって身体を動かしていく感覚です。

ぜひ、自分自身の歌をプロデュースしてみてください。

まとめ

上手い歌、すごい歌、自由な歌とは、自分のイメージ通りに歌えることなのだと思います。

そのためには次の2つが大切です。

身体をコントロールするトレーニング
イメージ力を育てること

言葉で説明するとシンプルですが、実際に取り組んでみると悩んだりストレスを感じたりすることもあると思います。

そんなとき、ボイストレーナーはヒントを与えてくれます。スポーツ選手にとってのコーチや監督のような存在です。

好きな音楽をたくさん聴くこと。
好きな歌をたくさん歌うこと。

そうやって自分の歌声を育てていく楽しさがあります。

歌にはそんな醍醐味があると思います。
ぜひ自由な歌を歌っていってください。

八王子校・横浜校チーフ
本田 “POM” 孝信

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