
「自分の歌唱に合った曲」を探したいとき、みなさんは何を基準に選んでいますか?
🎤「すごく練習した曲だから」
🎤「好きなジャンルだから」
🎤「歌詞に心を鷲掴みにされたから」
🎤「今流行っているから」
どれも立派な理由だと思います。正直に言えば、「好き」「歌いたい」に理由なんていらない、という気持ちは僕自身にもあります。
ただその一方で、人が自分の歌を聴いたときにどう感じるか、という視点もやっぱり大事です。せっかく歌うなら、「自分でもしっくりくるし、周りから見ても似合っている」と感じてもらえる曲に出会えたら最高ですよね。
今回は、自他ともに“似合っている”と感じられる曲を見つけるための考え方を、ボイトレ講師の視点から整理してみたいと思います。
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まずは「曲の個性」を知ろう
一言で「曲」と言っても、その個性は本当にさまざまです。
例えば…
体の鳴りや声の太さが映える曲
玉置浩二さん
Adoさん
高い声や強さを活かせる曲
Superflyさん
B’zさん
声のキャラクターや歌い癖が武器になる曲
あのちゃん
きゃりーぱみゅぱみゅさん
まだまだ挙げればきりがありませんが、「どんな声を前提に作られている曲なのか」という視点で聴いてみると、曲の見え方が変わってきます。
選曲はまず、曲の個性を理解するところから始まります。
声の「質」を考える

太く響く声、抜けが良く鋭い声、軽やかな声。声質は本当に人それぞれです。
カラオケなどで他の人の歌を聴いていて、「上手いんだけど、なんか違うなぁ」と感じたことはありませんか?
たとえば、玉置浩二さんのメロディを、声が細く響きの少ない人が歌うと、どうしても物足りなく感じてしまいます。逆に、B’zさんの曲を太い声で歌うと、まったく別のバンドの曲を歌っているような印象になることもあります。
このように、楽曲が持っている声の質と、自分の声質が合っているかどうかは、選曲においてかなり重要なポイントです。
だからこそ、まずは「自分の声はどんな質なのか」を知ることが大切です。
レッスンを重ねていくと、どうしても技術面に意識が向きがちで、意外とトレーナーと声質について話す機会が減っていきます。
定期的に…
- 自分の声質の評価
- どこを意識すると違う質感の声が出るのか
こういったテーマで発声レッスンを行ってみてください。選曲の精度が一気に上がります。
音域を考える

レッスン生の方に意外と多いのが、この音域のミスマッチです。
単純に、出せない高音・低音が含まれている曲を選んでしまうというケースですね。
音域拡張の練習や、憧れで歌うこと自体はとても良いことです。ただ、「今の自分に合っている曲」とは少し別になります。
特に大事なのは…
✔ 自分の地声での最高音
✔ その曲で“地声で歌うべき最高音”
この2つがマッチしているかどうかです。
地声で出すべきところを裏声でクリアできたとしても、音程は合っていても、印象はまったく別のものになってしまいます。
また、最高音が出せるかどうかだけでなく、どんな質感で出せるかも重要です。
「頑張れば出る」「調子が良ければ出る」ではなく、「この質感で、余裕を持って出せる」そこまで含めて、自分の最高音として認識できるようになりましょう。
もちろん、レッスンでは音域拡張をテーマに取り組むのがおすすめです。
声の「キャラクター」を考える
ここで言う「キャラクター」は、太い・細い・響く・響かない、といった声質とは少し違います。
僕の中では…
👄 太い・細い・響く・響かない=発声の質
👄 キャラクター=喉が作る声色やニュアンス
…というイメージです。
たとえば…
🎤 可愛い
🎤 落ち着いている
🎤 尖っている
🎤 まろやか
こういった印象ですね。
ここには、なりきれる性格やノリも関わってきます。レッスンでも「恥ずかしいからできない」と決めつけてしまう方が結構多いです。
恥ずかしいかどうかと、出来る出来ないは本来別の話なんですが、そこを切り分けられないのは正直もったいないなと感じます。
テクニックを“ものまね”するレッスンだと思って、ぜひレコーディングレッスンにも挑戦してみてください。
何度も録って聴いているうちに慣れてきて、表現として自然に感じられるようになりますよ。
今お気に入りの「テクニック」から選曲する

ウィスパーボイスなど、プロの歌ではよく聴くのに、自分の歌には取り入れたことがない。そんな生徒さんは意外と多いです。
特にバラード曲で、ウィスパーをフレーズに乗せてみると、皆さんだいたい「目から鱗」の反応をしてくれます。
「こんなこと、自分もできたんだ!」と感じてもらえる瞬間ですね。
ただ正直に言うと、ヒソヒソ声自体は誰でも出せます。高くて強い声は修練が必要ですが、ウィスパーはそうではありません。
それを歌の中で使う発想を知らなかっただけなんです。
クレシェンドや弱発声を覚えると、バラードは一気に“バラードらしく”なります。
実際、今まであまり歌わなかったバラードが「こんなに自分に似合うんだ」とハマった生徒さんもいます。
B’zさんならシャウトやフォール、久保田利伸さんならエッジボイスやしゃがれた声。
覚えたテクニックの分だけ、選曲の選択肢は確実に広がっていきます。
レッスンでは、こうした声の出し方を練習しつつ、そのテクニックが際立つ“曲のワンフレーズだけ”を練習するのもおすすめです。
最後に
プロの歌手は、自分の声や歌い方がどんな曲に合って、どんな曲に合わないかをよく理解しています。
でもそれは、生まれつきだけで決まっているものではなく、試しながら広げて、得ていったものだと思います。
生徒さんと選曲を考えるとき、僕たちトレーナーは、今回書いたようなことを必ず考えています。ただ、付き合いが長くなると、細かい説明をしなくなってしまうこともありますよね。
だからこそ…
🎤 なぜこの曲なのか
🎤 この選曲で何を得ようとしているのか
遠慮なく聞いて、意見交換してほしいと思います。
好きな曲を、ただ歌う曲から「似合う曲」にしていくために、何が必要で、何が足りないのか。
一緒に考えながら、歌唱力を作っていきましょう。
興味を持たれた方は、ぜひベリーメリーミュージックスクールのレッスンで体感してみてください。
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