「目は口ほどに物を言う」——歌の表現を豊かにするためには、目の動きや表情筋、そして息のコントロールが重要です。
目の動きで感情を伝えるだけでなく、息遣いによって声のニュアンスを変えることで、より深みのある表現が可能になります。
本記事では、表現力を高めるための具体的なトレーニング方法を紹介します。
目は口程に物を言う
顔全体の「表情筋」が歌の「表現」を豊かにしてくれる様に、「目」も喜怒哀楽や様々なニュアンスを伝えてくれます。
「目は口ほどに物を言う」
人は話しかける時に伝えたい気持ちから自然と「目」を使います。もちろん、感情が表れにくい方は目で話せない場合もありますが・・・
- 生き生きと嬉しそうに話す
- 公開を語る
- 怒りで目が血走る
- 遠い目をする
- びっくりして目が点になるなど
目の印象は、その時々のシーンや感情で生きています。
歌詞や曲のイメージに誘発されて、歌唱することで自然と目が物語る歌は説得力を増します。感情が内側から溢れ出す瞬間の生々しい表現は、顔全体の筋肉の変化とともに目の表情にも表れます。
これらを使えるようになるためには、様々なトレーニング方法があります。
先ずは歌詞を読み込んで理解して物語の主人公になってみてください。悲しみ、喜び、伝えたいことが見えてきたら、自分らしく遠慮なくその感情を歌声に乗せてみる事が大切です。
大きく分けて・・・
- 内向的な方
- 社交的な方
個性によってその表現方法も全く違ったものになるはずです。ひとつも同じ表現などありません。自分だけのものとして「表現」を捉えてみてください。
息をコントロールした表現のバリエーション
「表情筋」とのバランスで声の質感も様々な色を見せてくれます。
怒った時は「力強く硬い芯のある声」だったり、優しい表情の時には「息の混ざりが多い穏やかな響きの声」に。もちろん個々の持つ楽曲(声帯や頭骨)の形状の特性で息の混ざりの個性もあります。
大きくは「ハスキーな声」とそうでない声に分けられますが、表現においての息の混ざりはハスキーかどうかに関係なく意図的に混ぜたり混ぜなかったりするものです。
そして、地声と裏声(ファルセット)それぞれに息の混ざり具合を調整することが出来ます。
みなさんは「ヘッドボイス」という言葉を聞いたことがありますか?ヘッドボイスとは、一部声帯を閉じて擬似的に「短い声帯」を作って高音域を鳴らすテクニックです。
声帯自体が小さくなるのでファルセットで歌う時に息漏れも減り、強い響きのファルセットになります。
通常ファルセットは、声帯をたわませて息の通り道を大きく開く事で「口笛」の様に音を響かせます。
その「通り道」が小さくなることで高い音にしていくテクニックが、ヘッドボイスです。ヘッドボイスの延長上に「ホイッスルボイス」もあります。
通常のファルセットは息の混ざりも多く喉辺りから聞こえてくるのに対して、ヘッドボイスは鼻辺りから聞こえてきます。
ヘッドに入れると息の混ざる量が減り、通常のファルセットのまま高音域を出すと息の混じりは増えます。
同じ様に地声でも声帯を擬似的に短くして高音域を出しやすいポジションを作れますが、地声の場合の息の混ぜ方はファルセットとは違う認識でコントロールする方が分かりやすいです。
解説しますが、以下、イメージで捉えてください。
声門閉鎖が出来ているしっかりした地声は、左右の声帯の距離が狭い状態でぶつかり合って振動を生みます。
それに対して息が多く混じる地声は左右の声帯の距離を広くして、沢山の息が通りやすい幅を作ります。以下の図のようなイメージです↓↓↓
その幅の広さをコントロールすることで息混じりのバランスを変えられます。
首(気管)を太くするイメージで声を出すと出しやすい声ですが、喉を締めて(押して)声を出すを方には難しいかもしれません。
息が漏れるわけですから沢山の息が必要です。腹式呼吸を使って深いところから沢山の息を流すのがコツです。
そして、低音域の息混ぜ声はわりと簡単ですが、高音域の息混ぜのポジションをキープするのは難しいです。
基本的に声帯を引っ張って高音域を出すので、引っ張れば引っ張るだけ左右の声帯はくっつこうとします。
声帯を上下に引っ張る「輪状甲状筋」と同時に、声帯を左右に引き離す筋肉を鍛えて使えるようにすることで高音域での息の混ざりをキープ出来るます。
息が混ざると後ろで響いて、混ざっていないと前に聞こえてくるので立体的な奥行きも演出出来ます。
息の混ざりを試行錯誤して出したい表現に合った息の混ざりを実感してみて下さいね。
具体的な表現トレーニング
1.声帯の左右の幅を広げたり近づけたりして同じ音程で息の混ざった地声と息の混ざりが少ない地声を交互に出すトレーニング
(動画準備中)
2.ファルセットで低音域から高音域に向かって徐々に音程を上げながらヘッドボイスに変化させるトレーニング
(動画準備中)
3.声帯をくっつけずに先に息だけ流してから声帯を閉じて声にしていくトレーニング
(動画準備中)
4.低い音の地声から徐々に音程を上げながら任意のタイミングで裏声に変えて発声し、そのまま音程を下げてまた地声戻って来るトレーニング
(動画準備中)
5.口を開いてハミングしながらの音階練習で高音域に向かって口を開くトレーニング
※表情筋の動きに注目
(動画準備中)
6.口を開いてハミングしながら全ての母音の口の形を変化させながら音階練習するトレーニング
(動画準備中)
まとめ
歌の表現力を高めるためには、目の動きや表情筋、そして息のコントロールが重要です。目で感情を伝え、表情筋を活かしてニュアンスを加え、息の使い方を工夫することで、より深みのある歌唱が可能になります。また、ヘッドボイスやファルセットのコントロールを習得することで、声の幅を広げ、より豊かな表現を実現できます。
今回紹介したトレーニングを継続することで、自分らしい表現を磨き、より説得力のある歌唱ができるようになります。自分の個性を活かしながら、ぜひ実践してみてください。