空気を鳴らす

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残暑見舞い申し上げます。
記録的な台風10号、皆さま大丈夫でしょうか。
八王子校チーフ森道太郎です。

歌とはどういった楽器なのか。楽器としての声を考えてみました。

小、中学生向けのサイエンスショーの、音楽の実験というコーナーにしばしば参加しています。
その中で、ヘリウムガスの入ったビニールハウスで演奏する実験というものがあるのですが、
ヘリウムガスはご存知、声が変わるガスなんですよ。

このビニールハウス内で歌うと、声が高くなるのですが、
他にもフルートやトランペットの音も高くなります。
しかし、バイオリンは音程に変化は生まれません。
ヘリウムがなぜ歌やフルートの音を変化させるのかというと、
ヘリウムが空気より軽いために、音程が変わります。

ざっくり言うと、歌やフルートは空気を振動で鳴らしています。
ハウス内ではヘリウムを振動させているので、音程が変わるわけです。

ではなぜバイオリンの音程が変わらないのかと言うと、
バイオリンは空気を鳴らしていないのです。
弓で弦を振動させて音を作っているから。
なのでヘリウム内でも弦の音は弦の音なわけです。

歌を歌う上で、この『空気を鳴らしている』という感覚が大切になってきます。
レッスン時、響で歌いなさいなど言われた方も多いのではないでしょうか。

響ってなんぞや〜って思った方もいるかと思いますが、空気の振動です。
声帯の音だけで頑張らないで、共鳴空間を広げ、より空気を鳴らしてあげた方が、
人間の声の良さが引き出せるのではないでしょうか。

カラオケでどうしても高い音が出ない場合は、
ヘリウム吸って歌うと、みんなの人気者になれるかもしれません。お試しあれ!

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