7日間しか生きられないと言われている蝉達のけたたましいハーモニーもすっかり聴こえなくなってしまいました。
僕らも何かを残す為に歌っていたい。
気がつくと秋が改札の前に立っていました。
「また、来てやったぜ」って。
ニンマリと笑った顔は少しだけ照れてるようにも見えました。
どうもセンチメンタルな秋の男、高田馬場校チーフのつんたです。笑
気温のフリーホール的な変動で体調を崩される方が多いです。
皆さん気を付けましょう!
さて今回はシンガーソングライターでありながら、嘗ては佐野元春さん、現在は浜田省吾さんという超大物アーティストのコンサートツアー、レコーディングにコーラスとして参加している高田馬場校の竹内宏美先生にコーラスワークについてインタビューさせて頂きました。
「竹内先生、竹内先生!コーラスとメインボーカルで歌う時の違いは何ですか?」
メインボーカルは自分が中心になって表現をしていくのに対して、コーラスはメインボーカルに寄り添って歌う存在です。自分が歌いたいように歌うのではなく、基本的にはメインボーカルの歌い方に添ってニュアンスやフレージングを決める所が一番の違いですかね。
できる限りメインボーカルと同じ歌い方をする必要があることもあれば、例えばメインの男性ボーカルに対して女性コーラス隊としての対比をつけた歌い方がよい場合もあるし、「Uh」とか「Ah」と伸ばしてハーモニーを作っている部分ではストリングスのように楽器の一つとして歌うことが求められる場合もあります。
一昨年からコーラスをさせていただいている浜田省吾さんの現場では、コーラスメンバーも自分自身がメインボーカルだと思って歌うように言われました。
でもいずれにしても、メインボーカルの歌や表現がそれによって引き立つこと、広がることが一番です。
「ところで竹内先生、竹内先生!ぶっちゃけコーラスの魅力って何ですか?」
やはり、人の声が重なった時に生まれるハーモニーには代え難いパワーがあるように思います。
特に、単純に音程でハモれたというだけでなく、歌い手同士が曲の中に見ている世界もきれいに重なった時に、その曲のストーリーを語る視点が増えることで歌が何倍にもふくらんでいくように感じる瞬間がたまらなく好きです。
それから本当にいいバランスでハーモニーが作れると、歌っている人全員の音が自分の中で鳴っていて、自分が消えてしまうような感覚になることがあります。それがとても気持ちよいです!
「そうだ!竹内先生、竹内先生!コーラスをする時に気をつけていることはありますか?」
テクニカル的には、まずはピッチとトーンとリズムですね~。そこが合わないとハーモニーに聴こえないので。コーラスの仕事をさせていただくようになってから、仲間や先輩コーラスシンガーの方々を見ながら声を重ねた時に倍音が出やすいトーンを研究しました。器用な方ではないので、自分の音程をハーモニーの中でしっかり取れるようになるまでかなり苦労もしましたよ(苦笑)。
でも、音程と音色がきれいにそろっているだけだと、今の時代機械でもコーラスをつけられちゃう。やはり、ただ伸ばしている音でもそこに音楽の流れや勢いを感じながら歌えるか、歌詞をハモるならメインボーカルに寄り添いながらその言葉をしっかり感じて歌えるかが大事だと思います。
「そして竹内先生、竹内先生!ベリメリに通う生徒にも、バンドでコーラスをしたり、アカペラサークルに入っている子たちもいます。コーラスがうまくなるためのコツはありますか?」
うーん、技術面では、基本的には実はメインボーカルに求められることとそんなに変わらないと思います。息の支えや喉や口の開け方など、皆さんもうきっとレッスンで教わっていることですよね。私自身かなり回り道をしてきたなぁと思いますが、まずは楽器としての自分の声の鳴らし方をよく知ることです。それをどう使って、メインボーカルや他のコーラスメンバーとよりハモりやすい声にしていくか。
自分の歌う音程やリズムをしっかり覚えることと、相手の声をよく聴いて鳴らし方や息の使い方、ニュアンスを合わせていくことが同じくらい大事。
ハモる相手のメロディラインを一緒にユニゾンで歌ってみるのもいいと思います。
・・・後はレッスンで!(笑)
「最後に竹内先生、竹内先生!コーラスの魅力が伝わる楽曲を教えて下さい。」
個人的に私がコーラスに憧れるきっかけになったアルバム2枚を挙げますね。
アカペラグループTAKE 6の「Join The Band」。私が初めて買った洋楽アルバムでもあります。ハーモニーの精緻な美しさだけでなく、ぐいぐい引き込まれるグルーブ感やドラマの表現力が本当に素晴らしいです。
そして、日本でブラックゴスペルが流行るきっかけにもなった映画「天使にラブソングを2」のサントラ盤。こちらはクワイヤ(合唱団)としてのコーラスを楽しめます。いつ聴いても歌う喜びを思い出させてくれる大好きなアルバムです!
以上、竹内先生へのコーラスワークについてのインタビューでした。
プロフェショナルならではの貴重なご意見、勉強になります。
ありがとうございました!
この記事を書いた人
1996年 PONY CANYONよりメジャーデビュー。2002年より、ボイストレーナーとしてプロ・アマ、ジャンル、年齢問わず、幅広く指導中。