抑揚に欠かせない強弱のある歌唱を作り上げるテクニック解説

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抑揚に欠かせない強弱のある歌唱を作り上げるテクニック解説-03

ベリーメリーミュージックスクール名古屋校チーフのアオイが新曲練習の準備についてアドバイスします。
抑揚豊かな歌唱を目指すための代表技術、声の強弱の考え方や使い所を解説します。「良い歌声」だけでなく「物語のある歌唱」を目指しましょう!

発声の強弱の大切さ

曲を歌い始める時、その瞬間に皆さんはどの様な事を意識されますでしょうか?

上手な歌と聴き手に感じてもらえる為に↓↓↓

  1. 音程の正確さ
  2. リズムの良さ
  3. 声質の良さ

この辺りが上位になってくると思います。

体験レッスンで初めてお声を聴かせて頂く際も、上記のような点を皆さん非常に意識されている事が伝わってきます。

逆に大きなファクターなはずなのに皆さんがあまり気にされていなく感じるのが”声の強弱”です。

”声量の大小、ダイナミクス”と表したりもしますね。

音程の正確さ、リズムの良さ、声質の良さがしっかり出来ているとして、でも同じ強さの発声を繰り返していれば何とも平坦で波の無い歌になってしまうと思います。

ピアノの演奏者の姿を思い浮かべた時に、前屈みに鍵盤に優しく触れるような弾き方をする姿であったり、背筋を伸ばし腕を叩き付けるような弾き方の姿であったり色々な姿が思い浮かびますよね。

音で強弱を現す結果、その様な姿勢やアクションになっているのだと思います。

自分がピアノを弾けなくても姿は思い浮かびます。

でも自分が歌うとなるとついつい抜け落ちてしまうのが、この強弱の意識かと思います。

姿勢が全く動かず無表情で淡々とピアノを演奏している事を想像していただけると、歌や音楽にとっていかに強弱が大事かを感じていただけるのではないでしょうか。

抑揚と一言で言っても色々とありますが、強弱は抑揚の第一歩目みたいな項目だと思いますので考え方や使い所を紹介出来たらと思います。

セクションごとでの音域

抑揚に欠かせない強弱のある歌唱を作り上げるテクニック解説-02

世の中に数多ある楽曲の殆どがいわゆるサビ部分に一番の盛り上がり、つまりその曲中での高音域が出てくるように作られています。逆に、曲冒頭やAメロと呼ばれる箇所では低めの音で構成して物語の始まり感を演出する傾向があります。

BメロではAメロとサビの橋渡し的な、そして徐々に盛り上がりを作るような音階構造が使われていることが多いです。

感覚的にそんなこと当たり前の事だと感じる方も多いかと思いますが、いざ歌唱となるとそんな理を忘れていつでもどのセクションでも力一杯歌ってしまう方も多いかと思います。

例えば「低いド」から「高いド」まで声が出せる方が居たとします。

高いドでは100%に近い力を使って発声していると思います。

この力を弱めようとすれば裏声になったり、頼りない声になったりします。

逆に、低いドでは小さな力で発声出来ますし、込めればある程度の強発声までボリュームを出せると思います。

この様に考えると、サビでは迫力や必死さ、AメロBメロでこそ強弱の入れどころ!!”だと解って頂けると思います。

これだけでも1コーラスの中で平坦さがかなり無くなり、物語感も出てくると思います。

フレーズ内での音域

では「Aメロ」、「Bメロ」、「サビ」で「弱、中、強」と分けるだけで十分かと言いますと、まだまだ大まかではあります。

同じ考え方で結構ですので、1フレーズの中でも音の高低と力の強弱をリンクさせて考えてみましょう。

例えば『いきものがかり』さんの『ありがとう』のサビに「ありがとうって 伝えたくて」という1フレーズがあります。

「ドレミファソラ ラソファミファミ」と音階は動くわけですが、弱い歌い出しから徐々に力を込めて歌詞の真ん中辺りが強くなりまた弱めていって終わると考えられます。

このような癖を付けていけると1フレーズという小さな括りの中でも、波のあるフレージングを発揮できるようになると思います。

歌詞によって強弱をつける

抑揚に欠かせない強弱のある歌唱を作り上げるテクニック解説-01

音域を考えるより歌詞の印象によって強弱の選択をする方がお手軽かも知れませんね。

「寂しい」と「寂しくない」を強か弱で分けて下さいと言われたら、大体の方が「寂しい」を弱とされると思います。

この様に、歌詞や言葉の印象に合わせた強弱も非常に大事な要素だと思います。

大体の方が「寂しい」という言葉に弱々しい印象を持っているのに、歌う側が音程やリズムだけを気にして通り過ぎてしまうのは表現として勿体なさ過ぎますね。

と、自分で書いておきながら…
本当は寂しいのに「寂しくない」と告げている、いじらしさならどうするんだ!!!
とツッこんでしまいます。

それに気付かない様な男にはなりたくないものです(汗

そんな時も先ずは音域での判断が必要になってくると思います。

低い音域での「寂しくない」はそれこそいじらしさを感じますし、高い音域なら本当に寂しくない人なんだなと感じます。

作曲者、作詞者もその辺りを考えた上で歌詞を入れ込んでいると思いますのでヒントはありそうですね。

その他前後の歌詞やメロディの動きも合わせて自分なりの答えを出してみるのも表現かと思います。

1音の中で強弱を変化させる

さて、ここまでは1フレーズや1文の中での強弱の考え方をお伝えしましたが、たった1音でも変化を作ってみよう!という項目です。

小学校の音楽の授業で「クレシェンド」とか「デクレシェンド」とか習ったかと思いますがあれです!

徐々に強くと教えられ、声が遠くから近くに聞こえてくるような音量変化がただただ楽しかった事を思い出します。

取っ掛かりとしましては、とにかく歌詞中の長い音符を探してみてください。

『涙そうそう』の冒頭部分、「ふーるい アールバム」を例にしてみますと、「ふー」と「アー」が長い音符です。

ここにクレシェンドです!

クレシェンドなどは時間経過があってこその技術なので長い音符が狙い目となります。

1音でなくても5音6音にまたがって一つのクレシェンドをかける事も多いですが、まずは分かりやすく長い1音で慣れて下さい。

発声練習にも強弱を!

抑揚に欠かせない強弱のある歌唱を作り上げるテクニック解説-04

強弱のあるフレージングを作るためのポイントをほんの入り口ではありますが紹介してきました。

では、普段からどの様な練習を行えば良いかを最後に!

やはり発声練習にも強弱に特化したメニューを増やしていくことだと思います。

ドレミの3音で良いですので、ドの音は4拍間で弱から強のクレシェンド、レの音は4拍間で強から弱のデクレシェンド、最後ミの音はフリータイムで、弱→強→弱と綺麗な山となるように練習してみて下さい!

発声練習の1メニューとしていただければ曲中でも思い出しやすい意識となると言いますか、気に掛かる技術として癖付いてくるはずです。

そして最後にもう一つ!

ベリーメリーミュージックスクールの生徒さんのレッスンでも良く言わせていただく台詞なのですが、「良いことが出来るようになったら、悪いことも是非やってみて!!」ということです。

強弱を付けた1フレーズを歌った後、同じフレーズをわざと一辺倒に歌ってみてください。

違いが分かって頂けると思います。

きっともう強弱無しには戻れないです(笑)!

何より楽しく気持ち良いんです、これがっ!!

歌い手が気持ち良い歌は、聴き手も気持ち良い。

そんなことを信じて抑揚の扉を開けていただければと思います。

上手な強弱が作れているか、おかしな表現になっていないかなど迷われた時には是非ベリーメリーミュージックスクール講師陣に投げかけてみて下さい!

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