【ボイトレ】歌で「感動」させる声の「共鳴」仕組みと響かせる方法

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【ボイトレ】歌で「感動」させる声の「共鳴」仕組みと響かせる方法-02

今回のボイトレ講座は、歌うことにおいて重要な「共鳴」についてです。3つの主な「共鳴腔」、口腔のコントロール、響かせる(振動)箇所について書きたいと思います。

はじめに

人の声は、声帯が「振動」して、その振動が身体に伝わり、身体が隣接している空間(部屋など)の空気を振動させます。

いわゆる「共鳴」する様々なお部屋の振動が自分にも人にも伝わると、感動すら覚える心地よい「揺れ」を体感することが出来ます。

そして何より「声の響き」の大きさもコントロール出来ます。

個人的には「中音域」の振動が「感動」を誘発すると思っています。

ライブなどで歌を聴いていると「温かみ」のある中音域の振動が心地よく胸を打ちます。

そして涙腺も緩みます。

今回は、この「共鳴」が「如何にして生み出されているか?」「声帯で生まれた振動が、音域によってどこでどの様に広がっているのか?」についての見解です。

そして「共鳴の大切さ」についてもお話します。

3つの主な「共鳴腔」について

ヒトの体には「共鳴腔」と呼ばれる箇所があり、主に「咽頭腔」「口腔」「鼻腔」の3つがあげられます。

声帯は喉仏(咽頭)のところにあります。

声帯の少し上の部分が「咽頭腔」と呼ばれ、声帯の振動を先ず響かせる部分です。

そして生まれた小さな響きを「口腔(口の中)」でより増幅して音量をコントロールします。

また、ハミングや高音域の響きを助けてくれる「鼻腔共鳴」は、人それぞれの艶や響きの個性を生み出しています。

世の中には似た声の方がいますが、この鼻腔の響きや頭蓋骨の類似性から生まれる骨振動で分類されるのだと思います。

もちろん声帯や口内形状の個性も一人一人の響きの特徴になっているのは云うまでもありません。

今回は触れませんが「舌の長さや歯並びも影響してくる」と思います。

つまり、系統は分類できるものの「唯一無二の自分だけの声が無限に存在している」ということになります。

そして「大きな声」というのは、決して「音量」だけの話ではありません。

  • 芯のあるしっかりした声も大きな声
  • 通りのよい声も大きな声
  • 滑舌良く言葉が聞こえてくる声

僕の中では「言葉や気持ちが伝わりやすい声=大きな声」だという認識でボイトレしてます。

無理に咽頭腔を鳴らしすぎずに口腔や鼻腔の鳴りに助けてもらって、音域によってのバランス良い響きを大きくする事が大切だと感じます。

口腔のコントロールについて

【ボイトレ】歌で「感動」させる声の「共鳴」仕組みと響かせる方法-01

バイオリンやコントラバスのボディの大きさと音量との関係性は、前回のボイトレ講座でも書きました↓↓↓

「口腔内の大きさを変えることで響きの大きさも変化させる事ができる」のはご理解頂けると思います。

ただ「バイオリンとコントラバスのどちらが音量が大きいか?」という問いに関しては、無駄な論争である事は間違いありません。

どちらが聞こえてくるか?

「高音域」と「低音域」の特性の違いで、それぞれの役割が違いますからね。

ただ、一般的に響く空間が大きい方が振動もより伝わり、その空間の中の音の占める割合は上がります。

身体にもより振動が伝わり「大きな声が出ている」実感は増えます。

また、口腔内を広くとることと口を開けることは似て非なるもので、口を開けなくても(前歯が離れなくても)口の中を広げることは出来ます。

もちろん、口を開けると響きは空気中に放たれますので、抜けの良い明るい声にはなります。

ですので、抜けの良い明るい響きを作りたいときは口を立てに開いて、こもった重い声を出したいときは口をあまり開かずに声を出す事もあります。

出したい声をイメージしつつ、楽器の大きさや形状を変えることで様々な声が出る事を、あれこれと試行錯誤しながら実感してみてくださいね。

響かせる(振動)箇所について

「3つの共鳴腔で生まれた声をどの様に振動させて歌に活かすか?」とても興味深いポイントです。

振動させるポイントは、地声や低い声を作るための「胸声(チェスト)」から高音域に繋がる「頭声(ヘッド)」まで音域によって徐々に変化していきます。

頭のてっぺんと胸にそれぞれ手をあてて声を出してみましょう。

しっかりした発声が出来ていると、低音から高音までサイレンのように音を繋いで上げていく事で振動するポイントが徐々に上がってきます。

もちろん、完璧に分離したものではないので、高音域を出している時もチェストは振動していて、その割合が減ってくるイメージです。

鼻辺りに「声の芯(種)」があり、振動するポイントが扇型の様に広がっているイメーです↓↓↓

【ボイトレ】歌で「感動」させる声の「共鳴」仕組みと響かせる方法-03

その際「音程が下がる時に声の芯(種)の部分ごと下げないように気をつける」ようにします。

音(響き)は力を入れたところに移動しますので、変に喉に力を入れてしまうと響きは喉側に落ちでしまいます。

扇形を崩さないように声を出すと、高音域も低音域も鼻や上顎より上から聴こえてきて聴きやすい声になると思います。

「チェストボイス」は「地声」ですので振動のポイントが分かりやすいと思いますが、「ヘッドボイス」は声帯の長さを変えたりする必要があるのでなかなかに難しいです。

リップトリルの声や腹話術の声はヘッドボイスですので、中音域のヘッドボイスを形成するときは腹話術のモノマネなどを参考にしてみてください。

リップトリルは基本ヘッドボイスに入って域易いので、高音域のヘッドボイス形成は、沢山リップトリルの練習をする事で身についてくると思います。

最後に

今回は、共鳴腔についての説明を基本に声の成り立ちから応用練習までを解説させて頂きました。

自分だけの声で自分だけの歌を歌えるようにするためにも是非実感して欲しい部分です。

この辺りとても文章では伝わりにくい繊細さがあります。

更に詳しく知りたい方は、是非ベリーメリーミュージックスクールの体験レッスンにお越しください。

必ず実感してもらえると思います。