【ボイトレ】「発声」とは?声帯の仕組みや音程コントロールなど

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【ボイトレ】「発声」とは?声帯の仕組みや音程コントロールなど-01

今回は、「息」を受けて「声」になる段階「発声」の仕組みのお話です。声帯の楽器としての持ち味と長さとの関係性や正しい音程コントロールと声帯の状態などを書きたいと思います。

声帯の楽器としての持ち味と長さとの関係性

演奏者が息を吹きかけるのは「楽器」です。

声帯は「息」を受け止めて鳴る「楽器」としての役割を担います。

人は皆、それぞれ「世界にひとつだけの楽器(声帯)」を持っています。

楽器には様々な音色があり、カテゴリー的に似ている響きもあります。

サックスに「ソプラノ」「アルト」「テナー」「バリトン」とあるの様に、同じ仕組みや形を持っている楽器の中で「大きさの違い」で「得意な音域」や「響きの大きさ」を持っています。

大きさが違うけど同じ仕組みの楽器である「フルート」と「ピッコロ」も、その様な役割分担があります。

それらは、息の吹き込み方、角度などを変えたり舌を使った「タンギング」と呼ばれる奏法で様々な音色(ニュアンス)を表現することが出来ます。

身体の大きい人は比例して声帯も長いことが多く「低い音」を得意とし、身体が小さい(背が低い)人は「高い音」が得意だったりします。

特徴として、声帯の長さで得意な「音域(レンジ)」に違いがあります。

ただし、声帯が長い人の一部では「声帯を閉じることで擬似的に短い声帯を作り高い音域を伸ばしていく事が出来る」人がいます。

「ヘッドボイス」の概念は「声帯を短くして振動させる」発声方法で、どんどん声帯を閉じて短くすることにより「ホイッスルボイス」など高い音を出すことも出来る様になります。

逆に、声帯が短い人は物理的に低い音を出すことが苦手なので、音域を広げる場合「高い音の方に音域を広げていく」という事になります。

声は息を吹き入れる特性上、管楽器で説明しましたが、「声帯を振動させる」という観点からだと息を吹きかけるわけではありませんが弦楽器での説明の方が分かりやすいかもしれません。

バイオリンの様に張る弦が短いほど高い音を出すのに適していて、コントラバスの様に弦が長いと低音が得意です。

正しい音程コントロールと声帯の状態

そもそも「音」というのは「振動(周波数)」です。

440Hzは音階の「ラ」の音に相当します。

音叉(おんさ)は440Hzの振動を耳に当てることで基準となる「ラ」の音を伝えてくれます。

「ラ」が基準なので「ラ」は「A」と表され、AからGまでを「ラ シド レ ミ ファ ソ」と表現します。

音程はサイレンのように低音から高音まで繋がった響きになりますが、ピアノで分かる通り白鍵と黒鍵を順に上がっていくと1オクターブを12音に区切っています。

人間が基準として分かりやすいように任意に区切りましたが、バイオリンの様にフレット(指板の上の半音の区切り)が無い楽器にはシャクったりフォールしたり出来る自由度があります。

同じ弦楽器のギターにはフレットがありますが、チョーキングという技術でフレットでは表せない途中の音域も奏でることが出来ます。

これと同じ様に声帯を引っ張ったり緩めたりする事で音程をコントロールするわけです。

「輪状甲状筋」を使っているので、この筋肉を鍛えることでスムーズな音程コントロールを促すことが出来ます。

声帯の緊張と緩和に対する息のスピード コントロール

高音発声時にピンと張った緊張状態にある声帯は、緊張度か高ければ高いほど振動させるための「息のスピード」が必要です。

声帯を輪ゴムでイメージしてみて下さい。

輪ゴムの離れた2点を指でつまんで反対方向に引っ張ると緊張状態にある声帯と近くなります。

ぶらんぶらんに緩んだ輪ゴムは少しの風でも揺れますが、長く引き伸ばした輪ゴムはかなりのスピードの風をあてないと振動しないです。

引っ張れば引っ張るほど必要な「息のスピード」が大きくなります。

そして、強く引っ張った声帯を振動させた場合、その振動の幅は狭く回数が多くなります。

それが高い周波数の高音になっていきます。

音程によって息のスピードコントロールが必要になりますよね。

「腹圧」を保ったまま「息のスピード」を変化させるトレーニングは、安定した安定コントロールに役立ってくれます。

地声・裏声など声の種類

声帯の仕組みを理解したら、次は「声帯のポジション」を変えて様々な声の音色をコントロールする段階になります。

深い表現力を身につけるには、指揮者として脳がイメージした音色を奏でるための楽器のコントロールが必要になります。

声には大まかに以下の種類があります。

  • 地声(ナチュラルボイス、チェストボイス)
  • 裏声(ファルセット)
  • ミックスボイス

ボイストレーナーによっては、そのカテゴリー分けに違いがあるので確実に確定的なものではありません。

また、個々に持っている声帯の特性上、カテゴリー分けの判断が難しい場合もありますので、今回は大まかな説明とさせて頂きます。

次回はこれら個々の特性やポジション形成などなど、より詳細な説明を!と思っています。

終わりに

今回は、声帯の仕組みとポジション変更で奏でることが出来る声の種類について解説させて頂きました。

自分を知る(楽器を知る)事で、より自分にマッチした歌い方や表現方法を模索できる様になります。

なので、ボイストレーニングという試行錯誤にて深く突き詰める参考にして頂けたら幸いです。

「歌う」より先ずは「鳴らす」

という意識で、無理なく自然に低音から高音を出せるようにアドバイスしていきたいです。

次回もお楽しみに!